「とりあえずやってみて」が伝わらない理由 ― 若者世代とのすれ違いを考える ―
こんにちは KEC教育グループ ビジネスコンサルティングの森川です。
いよいよクリスマスが近づき、街全体に華やか賑わいが感じられる季節ですね。
来年度に向けて新入社員の受け入れ準備を進められている企業さまも多い時期かと思います。
近年、若手社員や若者世代について
「指示が曖昧だと動きづらそうだ」
「意味や目的を説明しないと納得しづらいようだ」
といった声を聞くことが増えています。
こうした傾向は企業研修の現場感覚だけでなく、若者世代を対象とした各種調査や研究でも指摘されています。
不確実性の高い環境で育ってきた若者世代は、「正しくやりたい」「失敗したくない」という意識が強く、
判断の基準や期待値が見えない状態では、慎重になりやすい傾向があります。
ここで言う「正解」とは、
何を求められているのか、どこまでできていればよいのかといった判断や行動の基準を指します。
そのため、「とりあえずやってみて!」「あとは任せる!」といった関わり方・指導方法が
必ずしも主体性につながるとは限りません。
基準が明確でなく、何を求められているのかが分からないままでは、
行動を起こしづらくなることもあります。
もう一つの特徴は、行動の背景にある意味や目的を重視する点です。
「なぜそれをやるのか」「何につながるのか」といった文脈を理解できることで、
はじめて前向きに動けるケースも少なくありません。
いわゆるZ世代と呼ばれる若者世代は、
画一的な価値観に従うよりも、自分なりの納得感や判断軸を重視する傾向があります。
同世代の中にも多様な考え方があること、年長世代と価値観が異なることについても、
「人それぞれ違って当然」という前提で自然に受け止めています。
こうした違いが十分に踏まえられないまま一つの価値観を「正解」として示されると
押し付けと感じ、違和感や抵抗感が生まれやすいのも事実です。
だからこそ若者世代をマネジメントする際には、
正解を一方的に示すのではなく、背景や意図、判断の軸を丁寧に共有することが重要です。
そうした関わりが、若手の納得感や主体性を引き出すことにつながっていきます。
世代の特徴を理解したうえで関わり方を見直すことは、
若手だけでなく組織全体のマネジメントの質を高め
活力のある組織づくりのさらなる一歩になるのではないでしょうか。
KECでは企業ごとのニーズ・課題感にあわせたご支援を提案させていただいております。
組織開発・人材育成についてお気軽にお問い合わせください。
