コラム

エルダー制度・メンター制度

こんにちは、KECビジネスコンサルティングの近藤です。
皆さまの職場にはエルダー制度やメンター制度といった、新入社員を先輩社員がサポートする制度はおありでしょうか。
以前までは半数近くの企業で導入されておりましたが、コロナ禍によるテレワーク化などの影響もあり、最近廃止になった、というケースも多いそうです。コロナ禍が一旦落ち着きを見せている今日、エルダー制度メンター制度は復活していくのでしょうか。メリット・デメリットを整理してみたいと思います。

目次

 

エルダー制度・メンター制度とは?

一般的にエルダー制度・メンター制度ともに年齢や社歴の浅い先輩社員が新入社員の業務や日々のサポートを行う制度を指します。
上司ではなく、立場や年齢が近い先輩社員が担当する方が心理的な距離感が近く、新入社員の定着率向上やモチベーション維持に効果的だと言われています。

エルダー制度・メンター制度を導入する背景には、若手社員の早期離職率の高さがあります。
新入社員として入社してから3年以内に退職する人の割合は3割に上ると言われています。せっかく入社しても早期に辞めてしまっては、採用費や研修費用、育成に費やした時間が無駄になってしまい、企業にとって大きな痛手になります。 そのような中で新入社員の早期離職を防ぐために、先輩社員が直接指導し新入社員を様々な面でサポートするエルダー制度・メンター制度が重要視されています。

 

■エルダー制度

エルダー制度とメンター制度の細かい違いを整理していきます。
はじめに、エルダー(elder)とは、先輩や年長者の意味を持つ単語です。
「エルダー制度」という場合は主に新入社員に対するOJT制度の呼称として使われます。近年「エルダー社員制度」という、定年退職を迎えた際に期限付きで再雇用する制度も登場しておりますので、混同しないように注意が必要です。
また、企業によってはブラザー制度やシスター制度などの呼称を用いる場合もあります。

エルダー制度は、新入社員に対し上司が直接指導するのではなく、同じ所属の先輩社員が教育係となって新入社員のサポートを担当するのが特長で、業務面の指導・サポートが中心です。

■メンター制度

次にメンター制度について確認していきます。
メンター制度は業務だけでなく、メンタル面のサポートを目的とした制度です。

メンター(mentor)とは、「良き指導者」「優れた助言者」などを意味し、仕事やキャリアの手本となり、指導や助言をしてくれる人材を指します。

メンターは直接の上司や先輩ではなく、他部署の人間から選ばれることが多く、仕事の直接的なサポートよりもメンタル面で新入社員を支えるために選ばれることが多い点で異なります。
一方、エルダー制度では直接仕事に関わる先輩が選ばれるため、メンタル面におけるケアよりも、仕事上のサポートを重視する制度であると言えます。

メンター制度は他部署の先輩社員が担当することが多い設計上、業務指導力ではエルダー制度に比べ劣る面がありますが、業務上で関わりの少ない部署との繋がりを早期から構築できるので、社内に広く人脈を広げる意味では大きなメリットがあります。

エルダー制度・メンター制度のメリット

■一石三鳥

上司・先輩社員・新入社員の三者にそれぞれメリットがあります。
プレイングマネージャーが多い日本の企業では、上司がOJTを実施するために十分な時間を設けられない場合が多いですが、上司に代わり先輩社員がOJTを担当するので、上司の業務負担を軽くすることができます。新入社員から見ても、上司よりも距離感が近い先輩社員に教わる方が吸収や相談がしやすいといったメリットがあります。担当する先輩社員も早い時期にマネジメントする経験ができ、自覚も芽生えるため、一石三鳥なのです。

また、エルダーやメンターを務める社員や、過去に経験した社員を交えた意見交換会や研修を行うことで、制度を通して社内に関係性を築くことも可能です。

 

■離職防止・定着率の向上

 
新入社員にとって、慣れない仕事をすることは大きな負担になりますが、実際の仕事で関わる先輩がサポートすることで、いち早く仕事に慣れることができます。 仕事に慣れてくると精神的な余裕が生まれ、会社にも溶け込みやすくなります。また、仕事に関する直接的な相談が可能になるため、仕事上の不安や悩みも軽減され、早期離職の防止にも繋がります。

女性や男性が極端に少ない職場などの場合、新入社員が気軽に不安や悩みを相談できる相手をつくる、という目的で制度運用される場合もあります。

 

エルダー制度・メンター制度のデメリット

 

■教える側の確保が難しい

制度のデメリットとして挙げられるのが、「教える側の人材確保が難しい」ことです。

「教える」や「手本になる」人材を確保するのが困難であるケースが多くみられます。
後述しますが、現在の業務量との兼ね合いもあり、制度運用が困難になる場合があります。
一般的に新入社員を受け持つ前に研修や説明会を実施し、対応や教育スキルの平準化を図りますが、効果は個人差があります。
また、一見相性が良く、スキルが高くても、”人対人”であるため、どうしても不測の事態が出てきます。

部署によっては採用数と現在の職員数に開きなどがある場合があり、制度をしっかりと運用していくのが困難なケースもあります。

■相性や個性の違い

新入社員の能力にバラつきがあるように、先輩社員にも能力にバラつきがあります。
先輩社員ごとの新入社員との関わり方の違いや、教育スキル、他の組みと比較した意見など、簡単に解決できない問題が寄せられることもあります。

人事部目線では、新入社員とのマッチングをする上で必要な、既存社員・新入社員それぞれの人間性の把握や相性の考慮に課題を感じることも多くあります。

■業務負担

基本的に新入社員を受け持っている間は、自分自身の通常業務にプラスして新入社員のサポートを行っていくので、エルダー・メンター側の負担が大きくなりがちです。
運用にあたっては、周囲が業務面でサポートしてあげたり、問題が生じていないかを定期的に確認するなど、会社全体のサポート体制が重要です。

また、評価としてきっちり反映させることも重要です。そうすることで先輩社員のモチベーション維持にもつながります。

まとめ

エルダー制度・メンター制度の運用におけるポイントは、先輩社員と新入社員それぞれに対してのバックアップ体制を敷くことです。
また、新入社員への指導やサポートがしっかりと行われるかどうかは、担当する先輩社員のスキルに左右されることが多いため、定期的にマネジメントに関する研修を行ったり、新入社員を受け持つ社員同士や受け持った経験のある社員を交えて悩みや指導するためのコツを共有するようにし、指導やサポートにムラが発生しないような工夫が求められます。

最近の若い世代は、「上司の背中を見て学べ」と言うよりも一人ひとりに合わせたOJT指導を行うほうが、結果的に早期戦力化につながります。OJTには「指導」を通じて指導担当者自身が成長する機会も多く含まれています。
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